木工をはじめて一年が経ちました

2024-03-24 18:31:06

森林たくみ塾
キャリア

たくみ塾に入塾して、あと一週間で一年が経ちます。

一年続けての今の考えをまとめていこうと思います。

最近のたくみ塾

箱の課題が終わってからは手加工の課題と中級生の送り出しの準備に追われていました。

手加工の課題は手道具(鑿と鉋と鋸)を使った木組パズルの制作。

鑿加工で上手くいかないところがありましたが、なんとか完成。

中級生の送り出しは卒業記念品制作(木製置き時計と記念誌)と当日の送別会の準備。

私は主に記念誌制作を担当しました。

当日は参加者も多く大盛況の会となり、記念品も満足してもらえたと思います。

それが先週の話で、今週からは中級生がいない中で実習が始まります。

来週には新しい初級生が入ってきて、私たちが中級生になります。

責任が人を育てるとはよく言ったもので、中級生がいなくなった分だけ責任が増し、求められるものも高度になってきたのをここ数週間は実感しています。

これまでは実習は、実際の作業を通じて、「加工を経験して、技術を向上させる機会」という捉え方をしていましたが、その認識が誤っていることを理解しました。

中級生になると、「図面から工程を考え、納期から当日の作業内容を考え、加工方法も考える」ことが必要になり、その訓練のための機会という意味合いが強くなります。

つまり考えることが一気に増えます。

その変化があまりに突然来たため、最近は実習で疲れ切ってしまうことが多いです。

これまでが当日スタッフさんに作業内容を確認して、作業を行うだけだったことを考えると、かなりハードルが上がります。

当然、事前の段取りが必要になりますし、やったことない加工もあるため、持っている知識や経験を総動員して考えます。

今月に入って機械のセッティングをする回数はとても増えました。

よくよく考えれば、2年間で木工所で働ける人材を育成するためには、図面をもらって自分で考えて作業を進めるという訓練をするのは当たり前なのですが、その準備が出来ておらず、初っ端からつまずいてしまったなという感覚です。

もちろん最初から全て任されているわけではなく、スタッフさんにフォローしてもらいながら進めるわけですが、色々質問を投げかけられて気づくことばかりでした。

進め方に問題はないか、ミスはないか、進捗は問題ないかを気にしながら、緊張感のある毎日が続いてます。

十分に考えられてなかったり、加工ミスをするたびに怒られることばかりで、気持ちの面でも結構やられ気味だったりするのですが、こうした経験を経てできるようになると信じるばかりです。

というわけで最近のたくみ塾は実習でいっぱいいっぱいという感じです。

ちなみに来週からスツールの制作課題が始まります。。。

将来のこと

今年は就活の年でもあります。

卒塾後のことを考えて、就職先を見つけるなり、独立するなり、エンジニアに戻るなり結論を出さなければいけません。

家具メーカーや個人工房に就職するのは現時点で最も可能性が高いですが、その理由は多くの塾生がそうしていて、選択肢として丸いという消極的な理由からです。今と違って、お金を稼ぎながら木工に携わることができるというのはとても魅力的な反面、しっかりとした目的意識がないと、これまでのサラリーマン生活と何も変わらないということになりかねません。

独立は作りたいものが明確に固まってくれば、選択肢として可能性が高くなります。十分な木工経験がない状態で独立するのは不安ですが、明確に作りたいものが決まっているのであれば、2年間で身につくであろう考える力で問題解決できると考えています。独立の場合のメリットは試行錯誤のサイクルを圧倒的に回すことができるという点です。自分で工房を構えることで、時間や機械利用の制約などがなくなります。私はどちらかと言えば、教えられて学ぶよりはトライエラーを繰り返して学ぶタイプなので、こちらの方が成長が早い可能性があります。デメリットは金銭的な問題で、こちらは副業的にエンジニアとして働いて、補助的に稼ぐことになりそうです。

エンジニアに戻るは独立と似たような話で、エンジニアをメインにするか木工をメインにするかの違いです。エンジニアとして稼ぐ傍らで、工房を構えて少しずつ作りたいプロダクトを開発するという選択肢です。

現状はどの選択肢も取れるという恵まれた状況にはありません。就活をしてみて、ご縁がある就職先が見つかればそこで働いているでしょうし、納得できない場合は独立を目指すかもしれません。

一年経って

濃い毎日を送っている感覚はあります。

木工の世界は広大で、やってみたいことが無数にあります。

考え方ややり方も人によって様々です。

だからこそ、どこに集中するのかがとても大事になってきます。

例えば、「椅子職人になる」というとたくさんの人がいますが、「〇〇という樹種を使った新しい椅子を作る」というと突然その道の第一人者になります。

そういった自分のスタイルを早く見つけたいなと思います。(まだぼんやりくらいしかない)

今は新しいことに挑戦するたびに尻込みして、準備して、とハードルが高く、成長スピードが遅いなと感じています。

焦って、自分のスタイルを決めつけるというのも違う気がするので、こればっかりは悩みながら進むことになるんだろうなあと漠然と思っています。

技術的な話は依然としてパッとしないので、粛々と精進していきます。自分って不器用だったよなあと思い出す日々です。。。デザイン方面も同様。

そんなところで、2年目のたくみ塾も頑張っていきたいと思います。強いメンタル欲しい。

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