木工を考える日々

2023-06-03 17:13:51

キャリア

高山でも気温は上がってきて、快適に過ごせる日が増えてきました。
こちらでは風がとても涼しいので、晴れの日はとても気持ちがいいです。

たくみ塾では 5 月分の納品が無事完了し、6 月分の製作が始まりました。
4 月以来使ってなかった機械があったりして、過去のノートを見返しながら作業をしています。

さて、最近は木工キャリアについて具体的に考える機会が多かったので、今考えていることについて書きます。

クラフトフェアまつもと

5/27 ~ 5/28 に松本で開催されているクラフトフェアに初級生で訪れました。

出店数が多く、木工や陶芸、ガラス、革などさまざまな素材を使った製品が並んでいました。
木工家のお店で売られているものは、カットボードや皿、お盆、カトラリー、コーヒーメジャー、一輪差しをよく見かけました。
実際に手に取ってみると、クオリティの高さに「自分もこういうの作れるようになるんだろうか」と不安になってしまいました。
デザインもシンプルで洗練されているものが多く、かくいう私もシンプルな家具を作りたいと思っている中で、今販売されているものと違う価値を生み出せるんだろうか、と考えてしまいました。

作れるようになることも大切ですが、何を作りたいかをデザインする力も養っていかないとなと少し危機感を感じました。

気になったところ

せっかくなので、気になったお店を紹介します。

工人船工房

竹細工のお店ですが、さまざまな編み方があり、とてもかっこよかったです。
竹編みの椅子を作ってみたくなりました。

竹細工.jpg

工房 童

木を使ったカラクリおもちゃを製造している工房。
実際に触ってみると、木が滑らかに連動して動いており、ずっと見ていられました。
遊び心あるギミックが好きなので、いつか自分が作る家具にもちょっとした仕掛けを仕込んでみたいなと思ったりしてます。

卒塾生の工房訪問

森林たくみ塾の卒業生である小柳さんの工房を個人的に訪問しました。
今は COYA fine furnitureという工房で独立して活動されています。

奥さん同士の職場が一緒というご縁で「遊びにおいでよ」と声をかけていただいたので、はじめての工房訪問となりました。
椅子をメインに製作されていたり、卒塾後に数年で独立されていたりと私の理想を現実のものにされているという点ですごい興味がありました。
まだ木工業界に入りたての私に対して、機械のことを説明してくれたり、どんな質問にも丁寧に答えて頂いて、ステキな方でした。

独立のイメージは全く持っていませんでしたが、リアルな話を聞くことができ、身が引き締まる思いがしました。
当たり前の話ですが、独立したいなーと思っているだけではとても達成できるものではなく、独立するにはいくつもの壁を乗り越えるエネルギーとやり遂げる意志が必要です。
小柳さん自身、話していてすごいバイタリティを持っているという印象を受けました。
たくみ塾での 2 年間はあっという間に過ぎていくものだと思っているので、その 2 年間の過ごし方のヒントをもらえました。

また、独立するに当たっては多くの人のサポートもあったという話を聞き、周囲の人に自分のことを発信していくこと、協力していくことが大事であることも教えてもらいました。
独立というと自分で全部やるイメージもありますが、工房や機械の情報、家具製作に関する情報、展示会の情報など、共有できるコミュニティを持っていることは大切と感じました。

平野さん

たくみ塾の実習および技術講座を監督しており、スタッフの長を務めるのが平野さんです。
日頃から塾生の指導をして頂いており、塾生からは憧れの存在です。
あまり多くは語らない職人気質ですが、講座や実習を通じてとても真摯に塾生に接して頂いており、ただただリスペクトしています。

全く余談ですが、どこで働くことになっても尊敬できる人がいる環境で働いているのが好ましいと考えています。
私は木工に関しては全くの未経験ゆえに尊敬する人には事欠かないのですが、キャリアを始める上で平野さんの指導を受けることができたのは幸運と感じています。

今週の実習終わりの雑談で平野さんが自身のキャリアについて聞く機会があり、普段は聞けない話を聞くことができました。(聞けば答えてくれるとは思いますが、なかなか普段は聞きづらかったりします)

海外の仕事の経験やたくみ塾以外で製作している作品など聞くことができました。
話の中で大切にしている価値観などが垣間見え、有意義な時間になりました。

木工を考える日々

今週はいろんな人から刺激をもらう一週間となりました。

小柳さんと話している時も、平野さんと話している時も感じたことですが、自分が製作したものが評価されるタイミングはとても楽しそうでした。
そこからキャリアの幅が広がっていくように感じられ、話を聞いている私の方もワクワクしました。
そこに至るまでが大変で、評価に値するようなものを作れるようになるところが当面の目標ですが、早く私もそうなりたいなという思いを強くしました。

また、話を聞いていく中で価値観の違いを感じることが多くありました。
同じ木工をやっている人間でも何を志向するかは人によって異なり、各人によって自分の中の価値観というものが明確にあるように感じることがあります。
木工家として生きていく以上、自分の中の価値観を提示する必要があり、その一貫したスタイルにファンがつくのかなーなどと考えを膨らませていました。
木工家の数だけ価値観はありそうなので、多様性を認めつつ、自分なりのカラーを模索していけたらと思います。

椅子のスケッチを始めました

インプット過多でなかなかアウトプットできていないですが、今週から椅子のスケッチをはじめました。
今はまだ椅子の作品集で気になったものを描いているだけですが、椅子を作りたいのに描いたことないのはどうなんだと思いはじめてみました。
たくさん描けば、何か得られるものもあるだろうくらいのテンションで始めていますが、朝の時間にすることもないので、しばらく続けてみようと思います。

今週はこんなところで。

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