家具、作ります。

2023-06-18 16:54:24

木工制作

気づけば 6 月も後半戦。
ボーっとしてるとあっという間に 1 年が終わってしまいそうで焦ります。

最近はずっと手磨きをしていました。
1.5mm 幅の切り面(45 度に削り取った面)に仕上げるのですが、お手本通り仕上げるのが難しく苦手な部類の作業でした。
合わせにいくと不思議なことにだらしない印象になってしまうので、感覚を覚えて、ささっと仕上げるのが大切なのかなと思いました。

木工をする環境

機械講座も第 6 回が終わり、扱える機械も増えてきました。

  1. ジャンピングカットソー(荒長さ決め)
  2. リップソー(荒幅決め)
  3. バンドソー
  4. 手押し鉋台(ムラ取り、矩出し)
  5. 自動鉋台(分決め)
  6. ギャングソー(幅決め)

たくみ塾では機械講座が終わると説明が終わった機械については塾生も自由に使っていいルールとなっています。
次の講座でおそらく長さ決めまで行えるようになると一通りの製材までできるようになるので、単純な家具なら作れるようになります。

材料は工房で毎日出てくる端材があるので、いい端材があればキープするようにしています。
塾的にも積極的に活用することを奨励していて、スタッフさんの話を聞いた感じでは塾生時代はみなさん工房の機械を使って、いろいろなものを作っていたみたいです。

京都にいた頃、道具の使い方も全くわからないまま鋸や鑿を使って本棚を作りました。
とは言っても、製材済みの木材を注文して、簡単な木枠を作り、天板を乗っけただけのものです。
今でも食器棚として活躍してます。

都市部に住む人の共通の悩みだと思いますが、木工は環境に恵まれていないとできないものです。
材料の調達がそもそも難しく、調達できたとしても加工のための機械はありません。
手加工しようにも騒音や木屑など近隣の迷惑を考えるとやりづらいのが実情です。

当時のことを考えると今は理想的な環境に身を置けています。
材料は容易に確保でき、たくさんの種類の機械が使え、教えてもらえる先生や一緒に勉強する塾生がいて。
これまでは多くの作品を見て学ぶ機会が多かったですが、これからは実際に自分で考え作るということを実践していきます。

図面を描きました

とはいえ、機械を使うにはスタッフの許可がいるもの。
「何を作るのかは決まっていないけど、とりあえず木を切らせてください」とはとても言えないので、実際に何を作りたいか考えることに。

ちょうどいいタイミングで妻に押入れに置く棚を作ってくれという依頼があったので、作ってみることにしました。
押入れに本を収納しているのですが、上部に空間が余っているので、脚付きの棚を作ってそこに本を置き、棚の下の空間に壁に持たれ掛かっているピアノのキーボードを収納したいという要望です。
簡単な形なので、直線的にしか加工できない今の私でも作れるだろうと判断し、必要な部材を洗い出すために図面を書き出すことにしました。

piano.jpg

ところが、これがなかなか大変でした。

まず、工房から出る端材でお安く仕上げたかったので、棚の天板部分はすのこ状にすることにしました。
すると、すのこ部をどうやって木枠部分に固定するのかという疑問が浮かび、世の中のすのこ家具を検索したりするのですが、いまいち解説されている情報に辿り着けずに困ってしまいました。
最近すのこベッドを作っていた塾生がいたので、どうやって作ったのか、どのような構造になっているのかを聞いたりしました。
彼はビスや釘を使わず、木を組んで作り上げていたので、それを参考に作ろうとするものの、ベッドと本棚では実用上の違いがあったりして、どうしたものかと悩むことがいろいろと出てきて…。
(ベッドは上にマットレスが載っているのですのこは固定していないけど、本棚は固定しないとな…とか)

いろいろ悩みましたが、最初から完成度の高い家具を作ろうとしていたのが根本の原因と気づいたので、以下のように方針変更。

  1. 安価で製作する(めざせ 0 円)
  2. 今使える機械だけで作る(複雑な加工は諦める)
  3. ビスを使う

ある程度割り切ることで、前に進むことができました。
上に乗せる本の重量が結構あったので、どれぐらいの強度が必要なのかとかが全然わからず、寸法については割と適当に設定しました。
それをクレアに見せて、すのこ部分の厚みなど気になる箇所についても「いいんじゃない」という力強いコメントをもらったので、平野さんに描いたものを見せることにしました。

どういう反応が返ってくるか全く読めなかったのですが、丁寧に見てもらえました。
脚の部分の寸法やデザイン上の改善点(図面だと段差があってダサいところがある)など、細かい指摘をもらえました。
無事、工房の機械を使ってもいいよと許可を貰えたので、完成したらまた完成報告を行います。
当面は工房で使えそうな材を集める予定です。
材料が集まり次第、加工を進めて行きます。

京都で作った本棚からどれくらい進歩しているのか、少しワクワクしています。
おそらく、実際に製作を進めると何かしらのトラブルが発生するんだろうなと想像していますが、実践して得られる学びも大切にしていこうと思います。

今週はこんなところで。

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