4月終わり

2023-04-30 14:27:06

森林たくみ塾

森林たくみ塾に入ってから、1 ヶ月が経過しました。

インプットが大量にあったひと月で、とても濃密な時間を過ごしました。

書きたいことはたくさんありますが、少しずつ紹介して行けたらと思います。

機械講座がはじまりました

たくみ塾では、通常の実習以外に水曜日と金曜日に実習後に講座があります。

水曜日は素材としての木の特性であったり、製材過程であったりを学ぶ座学が中心。金曜日は工房の機械の説明だったり、手道具の仕込み方や使い方などを学ぶ技術講座になっています。

手道具は最低限必要なものは既に注文済みで、届き次第仕込み方を学んでいくということなので、それが届くまでの間は機械講座が始まりました。

初回はジャンピングクロスカットソー、続く回はリップソーと順番に機械をひとつずつ丁寧に教えてもらいます。

実習でも機械を使っていますが、そのときは安全に作業する上での説明に留まっていましたが、機械講座ではより丁寧に機械の構造や機能、注意する点、機械のクセなどを教えてもらいます。

さらにその機械を使用する工程で考えるべきことや木の特性を踏まえた上で考慮すべき点を「なぜそう考えるか」という理由込みで聞ける貴重な場となっています。普段の実習ではすべて腑に落ちるレベルで理解することは難しいため、この場で咀嚼するように心がけています。

機械講座で説明を受けた機械については、初級生であってもスタッフに相談さえすれば自由に使っていいというルールになっています。手道具が届いて、ある程度自由に制作できる環境が揃えば、何か新しく制作してみようと思います。

休み時間の過ごし方

たくみ塾での時間の過ごし方は人それぞれです。

中級生はスツールの製作課題があるため、昼休憩時はそれぞれの製作物に取り組んでいることが多いです。昼休憩はまとまった時間が取れる機会なので、隙間時間にご飯を食べて、製作に集中するというパターンが多いようです。課題以外にもスプーンを削っている先輩もいらっしゃいます。

初級生はまだ具体的な課題が与えられていないので、過ごし方も多様です。

高山はまだまだ冷えるので晴れている日は外でお弁当を食べる人が多いです。家が近所の初級生は家に帰って食べている方もいます。ご飯を食べた後はスプーンを削ったり、工房のまわりを散策したり、雑談したり、本を読んだりして過ごしています。

実際に木を加工する人もいれば、山を散策するのが好きな人、木図鑑や木材サンプルを眺めて樹種を覚える人、手道具の本を読んでいる人などいろんな木工好きがいるものだなあと思います。

私は森の紀行文を読むことに最近ハマっています。

製品の完成まで

ひと月が経ち、初日から関わっていた製品も完成間近となり、一部納品まで進みました。

全ての工程に関わったわけではないですが、長く時間を費やした製品が仕上がっていくのは、とても感慨深く、今後の私の木工人生においても忘れられない製品になるのかなと思います。

当初想像していた以上に工程が多い上に、精度が要求される製品で、予定していなかった作業がたくさん差し込まれていったのが印象深いです。決まった手順をこなせば製品が完成するわけではなく、逐次製品の状態を確認しながら必要な加工をするというのが意外でもありました。

また生産する数も多く、たくさんの材を見る機会に恵まれました。すべての材が同じ樹種であるにも関わらず、違う色や質感をしていることに驚き、違う樹種が紛れているんじゃないか、とすら思いました。同一の樹種であっても、それぞれの材によって特性が異なっている以上、加工後の状態も一様ではないようなというところで、木を加工していくことの難しさが分かったような気がしました。

一連の流れを経験したことで、5 月以降に携わる製品について、その加工において何を意識しなければならないかの勘所の下地はできてきたように感じます。

不必要な作業が発生しないよう、精度の高い加工ができるよう、5 月からも気を引き締めて精進していきます。

今週はこんな感じで。

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