最近も相変わらず研ぐ毎日です。
鑿の研ぎは未だ上手に研ぐことはできず、少しづつマシになっているかなといった具合。
人によっては習得に時間がかかるものみたいなので、しっくりくる感覚を掴むまでは粛々と研ぎつづけようと思います。
講座の方は一旦、鑿の仕込み編が終了して、鉋の仕込みに入っています。
切れる鑿を研がなきゃいけない、というプレッシャーはなくなりましたが、鉋の仕込みにも結局切れる鑿が必要になってくるので、依然として早く研げるようにならなきゃという焦りはあります。
鑿は木材に穴を掘るための道具でしたが、鉋は木材の表面を削る道具です。
鑿は使ったことありましたが、鉋は全く未知の道具。
講座で実際に削るところを見せてもらいましたが、きちんと削れる鉋を仕込めて、削れるようになるにはどれくらいかかるんだろうという考えてしまいますが、ひとつずつ取り組んでいこうと思います。
まずは鉋身と呼ばれる鉋の刃の裏押しを行いました。
このあたりは鑿と同じ。
その後は表なじみという鉋台と鉋身が接する部分を調整する工程。
鉋身の表面を鉛筆で墨付けを行い、鉋身を鉋台にセットすると接する部分が黒くなります。
その黒い部分が他よりも高くなっているので、それを鑿でこそぎ落とすように削っていくという作業を繰り返します。
接する部分の面積が多くなるほど、鉋身がしっかりと固定されていることになるので、その状態になるよう表なじみを削っていきます。
最近は中級生が就職活動をしていたり、同期やスタッフとの会話の中などで卒塾後の進路を考える機会が増えてきました。
これまで知らなかった業界のことや考え方、価値観に触れて、自分がしたかったことってなんだったけなと振り返ることが多いです。
もともと木工で食べていきたいというよりは木工で製品を作りたい、それを売って商売をする体験をしたいというモチベーションから始まっています。
また、量産したいわけではなく、手道具で仕上げることに憧れがあるので、プログラムで制御された NC(数値制御)による製作もどこか抵抗があります。
こういう話をすると「それじゃ食っていけないよ」とか「現実をみなよ」という声が聞こえてきそうですが、どちらかといえばどうやったらそれを実現できるかということを考えていきたいと思っています。
また、木工を志す人に共通する問題として、どこで製作するかという課題があります。
理想はもちろん個人で工房を構えることですが、卒塾後にいきなりというのも難しいので、現実的にはどこかの工房で働きながら独立に向けて準備を進めるということになります。
このあたりも業界として何か解決策はないものかなという思いもあります。
半年も経っていないですが、自分が木工を志した背景をしっかりと持っておかないと、あっという間に進路を選択する時期が来てしまいそうです。