隔週ペースでの更新を目指しているのですが、最近はサボり気味になってしまいました。
実習ではこれまでの作業を行うだけのフェーズから、今までの経験をもとにどう品質を上げていくのか、前回うまくいかなかった点をどのように改善していくか、といったひとつ上のレベルが求められるようになりました。
10 月担当したアイテムでは 7 月時点で中級生が行っていた作業を担当するようになったり、より早い作業スピードを要求されるようになってきています。
手を抜いているつもりは一切ないのですが、そうした要求に応えるために毎日負荷はかかってきていますし、失敗もそれなりにしてしまうため、メンタルにも応える日々が続いています。
今日は行きたくないな、と思う日が確実に増えましたが、なんとか無欠勤は続いています。
日々のプレッシャーを楽しみながら実習に向き合えればと思うのですが、最悪のケースばかり考えてしまうので、自分でも損な性格だなとよく思ってます笑
Instagram の方では写真をアップしていたりしますが、名古屋へ同期とシュラスコを食べに行ったり、木工芸術スクールの学生と BBQ をしたり、奥さんと紅葉狩りに出かけたりとそれなりに満喫をしています。
残りの時間は研ぎをしたり、鉋の仕込みをしたり、課題のことをしている時間が多いです。
本当はやりたいことがたくさんあって、製作課題である箱物のデザインや 3D - CAD による設計図の書き方を学びたいと思っているのですが、なかなか実現できずにいます。
さらに読書する時間も増やしたいし、美味しいものも食べたいしと欲求は無限にあるのですが、実習等でやられているとなかなか実現できずにいます。
ここ数ヶ月は技術講座で鉋の仕込みを行っていました。
平鉋は一番一般的な鉋です。
鉋には 鉋身と呼ばれる刃物を鉋台に据えて、木材を削る道具です。
後は鉋身とは別の裏金と呼ばれる刃物があります。
それぞれを仕込んではじめて、木を削ることができます。
地金と呼ばれる鉄の塊の先に鋼の刃がついています。
鑿と同じように、砥石を使って裏面を平面にしてから(裏押し)、刃先を研いでいきます。
まずは、表馴染みと呼ばれる鉋身を納める部分を削って、削る際に刃が動かないようにピッタリフィットするように調整します。
実際に鉋身を鉋台にセットして、きつく当たっている部分を鑿で削り、点ではなく面で鉋身が固定される状態になるまで調整を行います。
それが終わると、下端修正と呼ばれる鉋台と木材が接する鉋台の下側(下端)の調整を行います。
鉋身がいかに削れても、鉋台がボコボコだと削ることはできません。
下端を削って、鉋が安定するように調整していきます。
平面かどうかを確認するためにストレートエッジと呼ばれる、精度の高い道具で確認していきます。
完全な平面だと削る際に抵抗が大きいため、必要な部分だけ接地させ、それ以外の部分は凹むように仕込んでいきます。(今回は中仕込みと呼ばれる状態に仕上げます)
鉋台を削るための鉋を立鉋(台直し鉋)といいます。
つまり、鉋を仕込むためには事前に立鉋を仕込む必要があります。
鉋で削った際に逆目を削った際に表面が毛羽立って汚くなることがあるのですが、それを防ぐ役割があります。
鉋身の刃先と合わせて鉋台にセットして使います。
こちらも裏押しと刃先の研ぎを行い、鉋身と密着するように調整を行います。
平鉋は鉋台に対して角度がついた状態で刃がセットされています。
それに対して立鉋は刃が台に対して垂直についており、「削る」というよりは「こそぐ」といった使い方をします。
鉋台を削るものなので、平鉋よりも小ぶりです。
裏金はありません。
平鉋と同様、裏押しを行ってから、刃先を研いでいきます。
平鉋と同様、表馴染みの調整を行ってから、下端修正を行なっていきます。
立鉋の下端を削るためのに別の立鉋を使うこともあるみたいですが、今回はガラス板にサンドペーパーを貼って、平面を出しました。
...とても工程が多い!
私は平鉋の下端修正でかなり手こずってしまいました。
結局、立鉋の鉋身の刃が十分切れない状態でずっと修正していたため、なかなか思うように削れていませんでした。
道具はちゃんと使える状態にしておかないと、ドツボにハマってしまうということを再認識させられました。
鉋という道具は鑿以上に繊細な道具で、鉋身の刃や鉋台の下端の状態で細かな調整をしないとうまくは削れません。
鉋の仕込みができても終わりではなく、それらの調整を自分でできるようにならないとちゃんと使えないということを考えると、どれだけハードルが高い道具かということを思い知らされます。
職人すごい。
今はもう少しで鉋の仕込みが終わるというところまで来ました。
今週、早速鉋を用いて下端定規と呼ばれる道具を作る課題が出ました。
それが終わるといよいよ箱物の製作課題も進むと思います。
自分で設計して、自分で作るという経験を積む機会がいよいよ近づいてきました。
鉋を使いこなせるようになるぞ。